ガスケットとパッキンって、同じようなものだと思われがちですが、実は使われる場所や目的が意外と違うんです。
どんなときにガスケットが使われて、どうゆうときにパッキンをつかうべきなのか…?
この記事では、そのあたりをもう少し詳しく、でもカジュアルに解説していきます!
ガスケットとは?

ガスケットは、ボルトやクランプなどでがっちり固定する部分に使われるシール材です。ポイントは「動かないところに使う」ということです。気体や液体が漏れないように、固定された部品同士の隙間に挟む形で使います。たとえば、フランジ同士をボルトで締めるときに間に入れる「フランジガスケット」などが代表的です。
ガスケットを使用するとき、高温下にさらされる場合や、常に高圧がかかる場合など、使用する環境によってはすぐに劣化したり溶けたりしてしまうこともあるので、素材選びがとても大切です。
だからこそ、使用温度や圧力、化学的な耐性なども考慮した素材を選ぶ必要があります。
パッキンとは?

パッキンは、機械の駆動部分など「動きがある場所」に使われるシール材です。主に、摩擦が生じる場所で使われるため、摩擦係数が低い素材や、摩擦に強い素材が選ばれます。具体例としては、シリンダー内でピストンが動く部分に組み込まれるものや、ポンプの回転軸に巻いてシールにする「グランドパッキン」が挙げられます。
このような駆動部に使われるパッキンですが、素材選びを間違えると一気に摩耗が進み、交換の頻度が増えてしまいます。それが機械の生産性やメンテナンスコストに直結するので、実はとても重要なパーツなのです。
設備や機械を長持ちさせるためにも、こちらもパッキン選定をしっかり行う必要がありますね。
ガスケットとパッキンの違い

ガスケットとパッキンの違いについてわかりやすくまとめると、
- ガスケット・・・動かないところで使うシール材(固定された部分に挟む)
- パッキン・・・動くところで使うシール材(摩擦や回転がある部分)
という違いがあります。
ただし、メーカーや現場によっては呼び方が異なったり、動く部分に使っていてもガスケットと呼んでいたり、逆の場合も少なくありません。
ですが、どちらも「漏れ」を防ぐためのシール材という点は変わりません。
また、ガスケットとパッキンの大まかな種類を区分けすると、このように分けられます。

実際に使うときのポイント

次は、ガスケットとパッキンを使うときのポイントについてです。
実際に使うときは、現場の状況によってポイントが変わることも多いです。
たとえば、高温環境で稼働する機械と室温付近で作業する機械ではシール材の選び方がまったく異なる場合があります。
そのため、以下の項目に着目して、どちらを使えばいいのか検討していくといいでしょう。
使う環境から確認する
温度や圧力が高い環境で使うと、シール材が思った以上に早く劣化する可能性があります。
素材によっては高温や高圧に弱いものもありますので、まずは使用条件(温度範囲・圧力範囲・触れる流体の性質など)をしっかり把握しましょう。
たとえば、酸やアルカリなど腐食性のある液体を扱う場合は、化学的に強い素材を選ばないとすぐに溶けたり腐食したりします。
どんな環境で使うのか、事前に十分な情報収集が必要です。
材質から選ぶ
シール材の素材はゴム、樹脂(PTFE、PEEKなど)、金属(ステンレス、銅など)、複合材などさまざまな素材があります。
用途によって特性が大きく変わるため、単純に「これが一番強いから」と選ぶだけではうまくいかないことがあります。
たとえば高温でも柔軟性を保ちたい場合や、強い圧力負荷に耐えられる素材が必要な場合など、条件に合った材質を選ぶことでシール寿命を大幅に伸ばせます。
また、組み合わせによっては価格面でも大きな差が出てくるため、コストと性能のバランスを検討しましょう。
定期的な点検サイクルから検討する
ガスケットもパッキンも結局のところ消耗品なので、定期的に目視検査や漏れ検査を行い、劣化の予兆が見られれば早めに交換しましょう。
劣化のサインとしては、ひび割れ、変色、硬化、あるいは柔らかくなりすぎているなどが挙げられます。稼働時間や使用環境によっては、思っているよりも早く劣化が進むことがあります。
運用マニュアルや過去の実績を参考に、交換サイクルをあらかじめ決めておくと、急なトラブルを防げます。
特にパッキンの場合、摩擦面に傷がつきやすいので、メーカー推奨の点検・交換周期を目安にメンテナンスを実施すると良いでしょう。
まとめ
ガスケットもパッキンも、ただの“部品”ではなく、実は機械や配管設備が安全かつ効率的に動くためには欠かせない存在です。ガスケットは固定部分のシールを、パッキンは動きのある部分のシールを担っていて、どちらかがダメになると液漏れやガス漏れ、機械の故障につながる可能性があります。
「どれがガスケットで、どれがパッキンなの?」と迷うことがあるかもしれませんが、大きな違いは「動きがあるか、ないか」という点。用途と環境に合った素材や形状を選んで、しっかりメンテナンスしながら使っていきましょう。これだけ押さえておけば、現場でパニックになることも少なくなるはずです。
以上、ガスケットとパッキンの違いを、カジュアルにかつ少し詳しく紹介しました。これを機に、あなたの現場で使われているシール材がどっちなのか、ちょっと見直してみるのも面白いかもしれませんね。